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第52回 中野地域での中野在宅ケア研究会の取り組み ~地域でネットワークの手を広げて~

上高田訪問看護ステーション 藤原千鶴子

 中野在宅ケア研究会は、在宅療養者に最高・最良のケアを行うために、最も重要な役割を担う看護師と医師が互いに連携を深め、その知識と技術の向上のための研鑽を積むことを目的とした会である。

●より幅の広い研究会をめざして
 2000年5月に中野区内の医師会の開業医(元民医連で働いていたT先生)、健友会の上高田訪問看護ステーションの所長、慈生会の訪問看護ステーションの看護師などの有志が集い、ともに在宅のケアの質を上げよう・ともにネットワークをつなげよう、と発足した。徐々に会員となる事業所も増え、現在中野区内訪問看護ステーション16事業所中11訪問看護ステーションが会員となっている。会費は1事業所、年1万円。
 会員となっている事業所から役員を出し、医師も含めた幹事会を開き、「今自分たちが抱えていることや学んでいかなければいけないこと」を出し合い、年度の企画を立てている。
  3ヵ月毎に学習会や講演会を行っているが、開業医の先生も参加できるように研究会の時間は第4火曜日の19時から21時である。訪問看護ステーションは職員の学びの場として位置づけ、積極的に参加している。講演、学習会の内容によって講師は外部の方に依頼したり、会員の医師やPTが行ったりしてきた。
 訪問看護ステーションはテーマに沿って事例提供を持ち回りで行っている。もちろん会員外の方々にも積極的に参加していただきたくお知らせしている。セラピストなど他職種にも呼びかけ、より幅の広い研究会をめざしている。

●在宅ネットワークの拡大に貢献したい
 8月には第46回をむかえ、「地域の困った人の精神病理」というテーマで精神科医に強迫性障害への関わり方を学ぶことができた。昨今精神疾患を持っている利用者さんも増えてきている中、非常に実践的な学びとなった。また、皮膚科の先生からの巻き爪や爪ケアについての学習は、訪問看護で日常的に行ううえで非常に実践的に役立つとともに、困ったときは皮膚科の往診をしてくださる先生に依頼してもらえるよう主治医に働きかけたりと連携にもつながっている。顔が見える、共に症例検討する間柄というのは非常に日常的にも近い存在になると考えている。  この研究会を通して、より良い在宅ケアサービスを提供し、在宅療養者が住み慣れた家で安心、安全に暮らしていけるように医師や他職種と連携をさらに深めていきたい。健友会の在宅を担っている先生方が多忙のため、なかなか参加できないのが非常に残念だ。
 今後は、訪問看護ステーションからの発信も強め、健友会が目指す在宅ネットワークの拡大に貢献できるようにしたいと思う。

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