東葛病院総看護師長 大谷洋子
2009年、東葛病院の産休入りの看護師は12人です。そのうちの3人が5人目の児です。厳密に年度でいうと2人になりますが、いずれにしてもどなたにお話ししても驚かれます。全員が病棟で勤務し、どっしりとした安定感でチームをまとめています。子育てしやすい、働きやすい環境ということです。
●本当の働きやすさって?
2008年の全日本民医連調査でも東葛病院の病棟勤務者の61%の看護師が子どもを持っています。ある病棟では時短の人が多いので16時30分の申し送り時、チームの看護師が一人だったという事態も発生しています。患者さんにも支えられているということですね。
最近入職された方は長年務められた病院で45歳での選択定年制を受けいれ、転職してきました。その病院は看護師のキャリアをどう考えているのだろうか、と疑問に思いました。各病院が新卒看護師を集めるのに躍起になっています。入職を決めれば奨学金として月々5万円10万円とお金を出しているようです。賃金、研修制度、寮、豪華なホテルでの就職説明会といったことは普通に行われています。それはそれで結構なことですが、本当の働きやすさや、看護のやりがいとは、少しずれてはいないかと思います。
●潜在看護師になる理由
看護職は女性が多い職場ですので、生理休暇に始まり、妊娠判明時夜勤免除や産休、育休制度など、あたりまえだと思っている勤医会職員も多いかと思います。しかし妊娠がわかっても夜勤免除もなく、産休まで働くのが普通のことですし、生理休暇の取得が認められていないところがほとんどです。体力と気力と看護への思いが子どもを持っても働き続けることを支えているという人がどれだけいるのでしょうか?
子育て中の看護師が夜勤業務に携わるとき、家事的生活時間の割合が大きく、夜勤あとの睡眠時間が十分とれないという2003年の厚労省補助金研究事業報告があります。このことからも、なぜ潜在看護師にならなければならないかが明らかです。
●看護師を増やす運動と働きやすい環境づくりを
私たちの先輩たちが今日までつくりあげた、子どもを持っても働きやすい環境が現在の臨床の現場を支えてきました。先の全日本民医連の調査でも東葛病院は年齢構成のバランスがとれています。看護のキャリアをどのように考えるのかとも関係がありますが、戦場のような急性期医療の現場から慢性期、リハビリ、在宅、やすらかな死に至るまで、全力を尽くして日々生きることへの援助を、たゆみなくさまざまな部署で働き続ける看護師の人生が、少しでもゆたかに発展できることを願っての労働環境です。
そうはいっても看護現場は楽ではありません。生活の半分以上の時間を割いて夜勤に入っています。歯をくいしばって顎関節症になるなんてことも、冗談ではなく人によってはあります。看護現場で働く看護師が、働くことに誇りを持って成長できるように共に育ちあって、と総看護師長としては、日々気合いを入れています。日本中の看護師を増やす運動と同時に働きやすい環境を発展させていくことが大事です。
2008年の全日本民医連調査でも東葛病院の病棟勤務者の61%の看護師が子どもを持っています。ある病棟では時短の人が多いので16時30分の申し送り時、チームの看護師が一人だったという事態も発生しています。患者さんにも支えられているということですね。
最近入職された方は長年務められた病院で45歳での選択定年制を受けいれ、転職してきました。その病院は看護師のキャリアをどう考えているのだろうか、と疑問に思いました。各病院が新卒看護師を集めるのに躍起になっています。入職を決めれば奨学金として月々5万円10万円とお金を出しているようです。賃金、研修制度、寮、豪華なホテルでの就職説明会といったことは普通に行われています。それはそれで結構なことですが、本当の働きやすさや、看護のやりがいとは、少しずれてはいないかと思います。
●潜在看護師になる理由
看護職は女性が多い職場ですので、生理休暇に始まり、妊娠判明時夜勤免除や産休、育休制度など、あたりまえだと思っている勤医会職員も多いかと思います。しかし妊娠がわかっても夜勤免除もなく、産休まで働くのが普通のことですし、生理休暇の取得が認められていないところがほとんどです。体力と気力と看護への思いが子どもを持っても働き続けることを支えているという人がどれだけいるのでしょうか?
子育て中の看護師が夜勤業務に携わるとき、家事的生活時間の割合が大きく、夜勤あとの睡眠時間が十分とれないという2003年の厚労省補助金研究事業報告があります。このことからも、なぜ潜在看護師にならなければならないかが明らかです。
●看護師を増やす運動と働きやすい環境づくりを
私たちの先輩たちが今日までつくりあげた、子どもを持っても働きやすい環境が現在の臨床の現場を支えてきました。先の全日本民医連の調査でも東葛病院は年齢構成のバランスがとれています。看護のキャリアをどのように考えるのかとも関係がありますが、戦場のような急性期医療の現場から慢性期、リハビリ、在宅、やすらかな死に至るまで、全力を尽くして日々生きることへの援助を、たゆみなくさまざまな部署で働き続ける看護師の人生が、少しでもゆたかに発展できることを願っての労働環境です。
そうはいっても看護現場は楽ではありません。生活の半分以上の時間を割いて夜勤に入っています。歯をくいしばって顎関節症になるなんてことも、冗談ではなく人によってはあります。看護現場で働く看護師が、働くことに誇りを持って成長できるように共に育ちあって、と総看護師長としては、日々気合いを入れています。日本中の看護師を増やす運動と同時に働きやすい環境を発展させていくことが大事です。