代々木病院 副総看護師長 山本登美子
診療報酬の変更に伴い代々木病院は、09年「外科機能を持たず、地域支援のための病院となる。地の利を生かして健診活動を大盛に行う」ことになり、全職員の力を合わせて病棟引っ越しを行い、代々木のポジショニングが確立しました。
●代々木病院の特徴は何か?
朝のミーティング。本日の入院患者さんの確認や打ち合わせをする医師と師長
この数年、療養病棟から回復期リハビリ病棟へ、外科機能は持ったりやめたり、持ったりやめたりを繰り返しました。障害者病棟をつくり経営的にも黒字の構造となりホッとしたのもつかの間、診療報酬の改定で梯子を外され、機能変更せざるをえなくなりました。入院基本料がよく、慢性期疾患を持つ患者さんの療養できる亜急性期病床を最大限持ち、ベッド調整に苦労をしつつも、様々な工夫と対応を行ってきました。それでも経営は厳しく、苦労の多い状況でした。全日本民医連の方針では、地域におけるポジショニングを考えるようにといわれていました。では、代々木病院の特徴は何か?
事務長から提起された「透析患者さんは回復期の対象にならず、きちんとリハビリを受けることができない。代々木の歴史と機能はまさにそのために活かすべきだ。透析の患者さんがリハビリを受けられる障害者病棟を作ろう」は納得のいくものでした。
●新しい機能の中での連携室の役割
新しい構成は、3階・一般急性期の内科病棟+眼科、4階・回復期リハビリ病棟、5階・骨折や脳卒中後のリハビリ期の透析患者さんと整形疾患を持つ車いすレベルの患者さんが対象の障害者病棟になりました。
このような新しい機能を持った代々木病院で連携室は看護師1名、事務1名で行っています。日常の役割分担は空床確認と外来・中野地域も含む診療所への空床状況の報告、入院案内の発送や入院に伴う事務処理・患者案内、医事統計。看護の仕事は他院からの紹介を受けること、入院の判断が出たときにケースワーカーと家族面接を行い、当院の特徴や家族の転院にあたっての要望などを聞き、転院目的を確認することです。また、各診療所から緊急入院の依頼が入ります。ベッドは3階病棟を中心に、時には5階病棟の協力を得て準備します。また、大学病院から患者さんの情報提供を求める依頼も入ります。
4階・5階がリハビリを目的に入院を受け入れるようになったこと、急性期治療を近隣の大学病院などへ依頼することが増えたこともあり、代々木病院の入院患者の照会元は法人内の診療所も合わせて40%弱、開業医を含む民医連外は57%、その他法人外の民医連院所となりました。(09年10月)
●存在意義をさらに発揮して
DPCの大病院の多い都内では、病院の機能分化が進んでいます。特に、回復期はグループ化が進んでおり、代々木病院も二つのグループに入っており、渋谷や世田谷の患者さんを中心に紹介を受けています。また、東京都においても代々木のある都区南部地域においては、脳卒中における連携を図るために広尾病院を中心に会議がもたれています。「t-PA」という血栓溶解剤ができたこともあり、より早く適切なところへ搬送して治療を行い、急性期病院から回復期へスムーズな患者の流れを地域で作るということが考えられています。しかし、この都区南部には急性期病院が二十数個に対し回復期は四つというのが現状です。リハビリや透析のできる代々木病院は、地域にとって大変意義のある存在だと言えます。
4・5階は、時には急性期病棟に入院が重なって大変な思いをさせることもあります。だからこそ、看護職員には特に地域における代々木のベッドの貴重さを十分理解してもらって、地域で安心して暮らせるまちづくりの代々木病院の存在意義が発揮されるようなベッド活用・地域連携の役割を果たしていきたいと思います。

事務長から提起された「透析患者さんは回復期の対象にならず、きちんとリハビリを受けることができない。代々木の歴史と機能はまさにそのために活かすべきだ。透析の患者さんがリハビリを受けられる障害者病棟を作ろう」は納得のいくものでした。
●新しい機能の中での連携室の役割
新しい構成は、3階・一般急性期の内科病棟+眼科、4階・回復期リハビリ病棟、5階・骨折や脳卒中後のリハビリ期の透析患者さんと整形疾患を持つ車いすレベルの患者さんが対象の障害者病棟になりました。
このような新しい機能を持った代々木病院で連携室は看護師1名、事務1名で行っています。日常の役割分担は空床確認と外来・中野地域も含む診療所への空床状況の報告、入院案内の発送や入院に伴う事務処理・患者案内、医事統計。看護の仕事は他院からの紹介を受けること、入院の判断が出たときにケースワーカーと家族面接を行い、当院の特徴や家族の転院にあたっての要望などを聞き、転院目的を確認することです。また、各診療所から緊急入院の依頼が入ります。ベッドは3階病棟を中心に、時には5階病棟の協力を得て準備します。また、大学病院から患者さんの情報提供を求める依頼も入ります。
4階・5階がリハビリを目的に入院を受け入れるようになったこと、急性期治療を近隣の大学病院などへ依頼することが増えたこともあり、代々木病院の入院患者の照会元は法人内の診療所も合わせて40%弱、開業医を含む民医連外は57%、その他法人外の民医連院所となりました。(09年10月)
●存在意義をさらに発揮して
DPCの大病院の多い都内では、病院の機能分化が進んでいます。特に、回復期はグループ化が進んでおり、代々木病院も二つのグループに入っており、渋谷や世田谷の患者さんを中心に紹介を受けています。また、東京都においても代々木のある都区南部地域においては、脳卒中における連携を図るために広尾病院を中心に会議がもたれています。「t-PA」という血栓溶解剤ができたこともあり、より早く適切なところへ搬送して治療を行い、急性期病院から回復期へスムーズな患者の流れを地域で作るということが考えられています。しかし、この都区南部には急性期病院が二十数個に対し回復期は四つというのが現状です。リハビリや透析のできる代々木病院は、地域にとって大変意義のある存在だと言えます。
4・5階は、時には急性期病棟に入院が重なって大変な思いをさせることもあります。だからこそ、看護職員には特に地域における代々木のベッドの貴重さを十分理解してもらって、地域で安心して暮らせるまちづくりの代々木病院の存在意義が発揮されるようなベッド活用・地域連携の役割を果たしていきたいと思います。