2010年9月、10年度法人看護部中堅看護師研修でノーリフティング(患者さんを抱えない介助)の研修が行われました。「研修参加者や経験者が中心になって各院所で学習会を開催し、職場で実践する」が研修後の目標でした。

みさと協立病院では、中堅看護師研修後の1月20日と2月9日に2回の学習会を開催。2回目の院内事例検討会で3南病棟の看護師が、発表をかねて実演を交えながら行った学習会の様子をお伝えします。看護師・介護福祉士・作業療法士・管理栄養士合わせて22名が参加しました。

患者さんの移乗のときの、ノーリフティングに力を発揮するスライディングシート(約2メートル四方のビニール状のシートを折りたたんで、シートのすべりを利用して患者さんの移乗を介助する)と、ボードを使用して実演しました。ベッド上での体の移動、ベッドからストレッチャーへの移動、ベッドから車いすへの移動、などを体験。上手にできると、患者さんも職員も負担がかからず「楽」に移動ができました。
発表と実技指導を行った3南病棟の鈴木芳枝看護師のまとめを引用します。
スタッフの人数が少ないときや時間が限られている場では、力任せに介助してしまうことが多く腰への負担がかかっていました。「ノーリフティング」を学び病棟で活用したことで、力任せでなく、道具を用いて介助するという意識に変わってきました。その結果、スタッフの腰痛が軽減し、患者さんの移乗がより安全・安楽に行えるようになりました。(みさと協立病院では2009年から、ベッドからストレッチャーの移動時にスライディングボードを導入し力を発揮していました。)今回スライディングシート導入で、さらに安全・安楽な移乗ができるようになりました。
●みさとオリジナルの看護・介護を

しかし、便利な物があっても危険性はあるという認識は必要だと思います。"常に事故は起きる"と想定して、安全・安楽に患者さんも介助者も移乗ができるということが大切です。
今回、シートを使用しての成果が得られましたが、業務の中で新しいトランスファーの方法やポイントが見つかれば皆さんと共有していきたいと思います。また何か良い方法があったら教えてください。皆さんで、腰痛のない、みさとオリジナルの看護・介護が実現できたら良いなと思います。