みさと協立病院から異動となり、4月からメンタルクリニックみさとの師長という大役を任されました。民医連に入職し、パート時代も含め、今年で16年目を迎えました。

実は、私と民医連との出会いは、30年以上も前の高校3年生の時にありました。ソフトボールをしていて実業団からスカウトされましたが母の猛反対があり、母が勝手に地元の病院に就職を決めてきました。断りましたが、それが民医連の病院だったと後で知りました。
長い歳月を経て、また民医連と出会い、運命的なものを感じています。「師長として、私でいいのだろうか」という不安もありますが、今まで、いろいろな職場の人に支えられ、ここまで来ることができたので、恩返しのつもりで力を尽くしていきたいと思います。
●「2人目が産まれるんです」と嬉しい報告も鬱病をはじめとする精神疾患は年々増加しています。国民病の一つである脳卒中などの『4大疾患』に、2011年には精神疾患が追加され『5大疾患』となり、精神科の需要は非常に高まってきています。
着任して2ヵ月が経ちましたが、当クリニックでも患者さんは増えています。職場・学校での人間関係、家族関係、経済問題など様々な問題が原因で受診してきます。また、地域の医療機関や相談支援センターからの紹介も増えています。
患者さんは自分から具体的に症状や気持ちを伝えてくれない(伝えられない)こともあるので、看護師としての知識や技術のほかに、観察力や洞察力も重要になってきます。待合室での患者さんの状態観察は欠かせません。検査時は唯一患者さんと話ができる場です。
診察室で必ず泣く鬱病の60代の女性。泣いてはいますが、この日が一番待ち遠しいそうです。職場での人間関係が原因で人間不信になったそうですが、人で傷ついたとしても癒されるのも人なのです。鬱病の20代の男性は、「2人目が産まれるんです。贅沢はできませんが細々とやっていきます」と嬉しい報告をしてくれました。話をすることで回復過程がみえてきます。
●精神デイケアを併設当クリニックは、精神デイケアを併設し、リハビリにも力を入れています。スタッフは所長・事務長・看護師と精神デイケアの作業療法士、精神保健福祉士の5名と少人数体制ですが、地域に求められるクリニックとして安心して来院していただけるように、スタッフ一丸となり努力していきたいと思います。