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第96回 看護学生室奮戦記

中野共立病院看護学生室 担当部長 小林はるみ、師長 矢野睦子


 今年度から新たにA看護専門学校の臨地実習を受けました。看護師確保と私たちの看護を見直す良いチャンス! 民医連の健友会の看護を大いに語ろう!! と本当は大変な事態なのですが、張り切って頑張っています。新鮮な感動や気づきがたくさんあります。


●「どこにもないカリキュラム」を

学生と担当主任、教務、ST統括所長などが看護展開でのカンファレンスをします
学生と担当主任、教務、ST統括所長などが看護展開でのカンファレンスをします

 私たちの目標は、「在宅看護論の地域連携臨地実習はダントツ健友会!!」をめざし、様々な場面での連携・チーム医療を実感してもらうことです。

 A看護専門学校の実習は、「どこにもないカリキュラム」を、教務と相談しつつ看護学生室の師長、事務で作ります。3週間の実習なので、受け持った患者さんにどのようなチームがどのように連携しているか、どのように独自の専門性を発揮しているか、をとらえてもらえるように組み立てます。したがって、訪問看護師について回るだけではありません。訪問診療、居宅支援事業所、訪問ヘルパー、病棟の退院前自宅訪問・カンファレンス。とにかく「実際に動いている展開」の中に実習を組み込むので、そのコーディネートは大変です。でも、その実習を契機に、「ここで働きたい」と言ってくれる学生も出ています。頑張りがいを実感できる瞬間ですね。


●B大学は西荻エリアで実習

 B大学(看護学部)の実習生は6名、久しぶりの西荻エリアで3日間の実習を行いました。西荻南訪問看護ステーション→共立病院(救急外来地域連携、2階・3階病棟の合同カンファレンスや退院前訪問)・共立診療所(訪問診療・居宅介護支援事業所、友の会)・川島診療所・ケア24西荻、通所リハビリ室。

 実習生からは、こんな感想が寄せられました。「別事業所のデイの実習時には、利用者さんは『こんなところ来たくない』と思って来ているのよと職員に言われ、デイは家族のためのもので利用する本人は仕方なく...と思っていた。でも、共立の通所リハでは非常に生き生きと過ごされ、リハビリをしてもっとよくなりたいと希望を持って通っている方の声を聞き、『応援する専門職や周囲の力がとても大切だ』と感じた」など。

 私たちは、利用者さんが「明日も来たい」と自然に思えて、今の生活の中で少しでも喜びの時になればと一人ひとりに寄り添っていますが、学生の感想に出たような考えで行っているデイもあることを考えると、改めて「患者さんの立場に立ち、患者さんの要求から出発する」の視点が大事なんだと痛感しました。


●A看護専門学校は3週間実習、看護の展開まで!!

学生が作成した嚥下体操パンフ
学生が作成した嚥下体操パンフ

 A看護専門学校は3週間の実習です。継続的に関わっている患者さんにそれぞれ外傷予防のクッションを作成したり、嚥下体操のアプローチをしたり、体操を行うなど、看護の実践・評価を行って、最終カンファレンスを行います。看とりの場面に立ち会ったり、緊急の訪問看護が入り、訪問する場面があるなど、貴重な機会となる実習クールも。

 また、学生さんが回復期リハビリ病棟の起立訓練をみて、「職員も患者さんもイキイキしていた」「先生に歩行の診察の様子を見させていただき、勉強になりました」「他職種の距離が近い!」「夏に体験に来たいです」などの感想がありました。

 患者さんやご家族の皆さん、そして受け入れてくださった当該看護師さん、他職種の皆さん、本当に感謝、感謝です。本当にチームで実践しているからこそできうる実習プログラムなのだと、改めて思います。

看護NOW